ハイパーストU一考


ストUの全てのシリーズからキャラ性能を選べるハイパーストUは、
全体像を見たときには決してゲームバランスがいい作品ではありません。
また、それがあり得ない作品でもあります。
たとえば、あまりにも強すぎたために有名になったダッシュのベガと
一気に弱体化されて不遇の時代を送ったターボのベガが互角に戦えたとしたら
当時の正確な再現とは言えないでしょう。

全てのキャラクター・全ての組み合わせでいい勝負をすることは最初から望めない以上、
このゲームで楽しく遊ぶためには、プレイヤーの方がいい勝負ができるように
キャラクター選択を考えてみる必要があると思います。

たとえば、強豪キャラを選抜すればキャラ性能に偏りがない勝負もできますし
逆にほどほどの性能のキャラばかりで戦ってみるのも面白いです。
プレイヤーの実力に差がある場合は、上手い方が弱いキャラを使えば
同キャラ対戦でもハンデをつけることができるのです。
他のシリーズのキャラと戦ったときに、思ってもみなかったような
楽しい組み合わせが生まれることもあります。
「最強は誰か」「勝つか負けるか」ではなく、
「一番面白い対戦は何か」を探すのも楽しみの一つです。

私の場合はXでキャミィを使い続けて、かなり苦しい思いをしてきましたが
ハイパーならではの面白い組み合わせを友人と見つけています。



[Xキャミィ−Dザンギエフ]
エックスではキャミィが有利な組み合わせでしたが、
ザンギエフがダッシュ性能になることでかなり戦局が変わります。
スクリューを始めとして技の威力が全体的に上がるので、
ザンギが一度のチャンスで体力を7〜10割も持って行けることと、
判定がXと違うのでキャミィが安定して攻め続けられないのです。
ザンギの上半身の食らい判定が後ろに引いているために、
エックスと同じ感じでキャノンスパイクの先端を当てに行くと空振りしてしまいます。
このため、キャノンスパイクを当てるために、エックスより一歩踏み込まなければいけません。
スクリューや強足払いを食らう可能性が高くなっています。
無事にキャノンスパイクをガードさせても、ザンギの強足払いが鋭くなっているため、
エックス同士なら無傷で着地できた間合いでも強足払いで転ばされたりします。
そして単発の強足払いでも、ダッシュキャラとなるとダメージが大きく、油断はできません。
ただ、いったんリードした場合は、
ザンギの下半身の食らい判定はエックスより大きいので足払いを決めるのは難しくはなく、
さらにザンギの飛び込み全てをしゃがみ強パンチで落とせるようになってしまったために
(エックス同士なら、膝蹴りが相撃ちになった)
完全待ちはエックス同士よりやりやすいかもしれません。
逆にザンギにリードされてしまった場合、今度は破壊力の差が壁になり、
なかなか跳ね返すことができなくなってしまいます。
キャミィにとってもザンギにとっても厳しさが増したいい勝負です。


[Xキャミィ−D春麗]
エックスで苦しめられた気功拳がなくなり、足払い合戦も春麗が有利なのは変わらないものの
かなり食い下がれるレベルになっています。
弱スパイラルアローをガードさせたときも、間合いを間違えなければ安全に削れて、
失敗しても中足1〜2発ですみます。
お互いに飛んでも対空技で落とされるために、地上戦の駆け引きを競う戦いになります。
春麗は基本技の判定やパワーで勝っていますが、キャミィにはガード不能のフーリガンがあります。
春麗にはとっさに出せる無敵技がないので隙を突けば決めることができ、
さらにここからのフーリガン攻勢を抜けるために
春麗が繰り出す技がスピニングバードキックという面白さ。
まるで役に立たないと思われているスピニングバードキックが
フーリガン対策としては完璧に機能するのです。
キャミィにだけスーパーコンボがありますが、春麗は通常投げの威力が凄く、
試合終盤ではスピンドライブと同じくらいの力があります。
スピンドライブは長い無敵時間があり、春麗の投げはもちろんガード不能。
春麗の基本技をうまくキャノンスパイクで返せば一気にたたみかけられますし、
春麗は百裂キックを置いておくことでキャノンスパイクを潰せます。
さらに、それに対してスピンドライブで……と、お互いの象徴的な技のぶつかり合いが
春麗とキャミィの間柄をそのまま現しているようにも見えたり、
それぞれの強さや面白さを引き出すような勝負になるのです。
あと、試合前の顔グラフィックや、負けた時の二人の表情が素敵ですね。
どちらが勝っても負けても楽しいですし、むしろ勝ったり負けたりがこの二人の間柄のような気がします。


[Sリュウ・ケン−D春麗]
春麗に飛び道具があるなど邪道と考えている知人が愛用するD春麗は
ダッシュ当時はリュウ・ケンに対してかなり苦しめられました。
ダッシュのリュウ・ケンが強かったからです。
リュウ・ケンがスーパーの性能であれば、ここで一気にいい勝負になります。
破壊力の差はやはり大きく、波動拳を2回当たっただけで気絶しないのも
春麗にとっては大きな助けになります。


[Sケン−Dバイソン]
バイソンはダッシュ時代は悲惨な境遇にありましたが、これも相手がスーパーなら大丈夫です。
波動拳を見切ってジャンプ強パンチや遠距離立ち強パンチを当てていくだけでもかなりのもので、
バイソンの強パンチが二発連続で当たるとケンは気絶しますが、
波動拳が二発連続で当たってもバイソンは気絶しないので、
バイソンはどんどん強気で攻めていけるのです。
しかし、端に追い込まれたら波動大足で完封されるのは相変わらずで、
バイソンもあまり気楽にはしていられません。
ケンもバイソンも慎重かつ大胆な戦い方を要求されます。

しかし、Sリュウにはファイヤー波動拳があるので、立ち強パンチやダッシュストレートと相撃ちになると
バイソンが転んでしまい、バイソン側が不利になってしまうでしょう。


[Xキャミィ−Sバルログ]
スト2Xでもできた対決ですが、あらためてやってみるとSバルログはとてもいい人です。
爪は拾えないし無敵対空はないしめくりバルセロナはないしスーパーコンボはないし、
Xキャミィでも十分に渡り合える性能になってくれます。
爪があるときはキャミィが困り、爪がなくなるとバルログが困り、
フーリガンを避けるためにバルログが使う技はバック転。
D春麗相手の時と同じく、互いの隠れた面白さを引き出してくれるいい勝負です。


[Dバイソン−Sバルログ]
バイソンの遠距離立ち強パンチがしゃがんでいるバルログに当たるので、
ダッシュストレートに続いて立ち強パンチで押していけます。
バルセロナアタックはしゃがみ強パンチであっさり返せます。
バイソンのリーチとパワーに、バルログも決して負けていません。
技を出そうとしたところに爪を刺していけば優位は保てますし、
急な飛び込みを返す無敵技はバイソンにはありません。
結局戦いの流れは基本技の差し合いになり、
バイソンの破壊力が勝つか、バルログのスピードが勝つかという
この二人の個性をそのまま反映した勝負になります。


[Sサガット−Dザンギエフ]
ザンギvsサガットというのは、昔は絶望的な相性の差がありました。
ゲーメストの攻略記事で、サガット側から見て「貴様ごときパーフェクトで当然だ」という
悲しい言葉まで付いていたものです。
ところが、予想外のバグで面白い戦いになりました。
ハイパーストUのSサガットは、グランドタイガーショットの隙が原作に比べて8フレームも伸びています。
8フレームというのは相当に悲惨な弱体化で、エックスでのサガットよりも隙が大きくなっています。
(意図したものではないようで、その後発売されたプレステ2では直っています)
このために、ザンギが飛び込んだ時にサガットが下タイガーを撃っていたらアパカが間に合いません。
やみくもに下タイガーを連射しているだけでは駄目で、上タイガーにひっかける必要が出てきます。
上タイガーは上タイガーで、サガットが立っているためにザンギがジャンプ強パンチを当てるだけなら簡単ですし
Dザンギのパワーはジャンプ強パンチや強足払いを一発当てるだけでも結構なダメージになっていきます。
しかし下タイガーを撃っていない時にザンギが飛んだら当然アパカで撃墜されますし、
ダブルラリアットで下タイガーを回避できないため下タイガーに対しては飛ぶしかありません。
勝負の内容は飛ばせて落とす単純なものですが、ザンギは下タイガーを読んで飛ぶ、
サガットは下タイガーを撃つとうまく思わせる、ときちんと試合が成立する勝負になってくれています。
また、XSサガットは様々な基本技にキャンセルがかかるため、この勝負には適していません。
足払いが届くために安易に下タイガーが撃てなくて困る間合いの時に、
中足下タイガーでザンギを追い払えてはいけないのです。

同じような感じで、SサガットとD春麗も楽しい戦いになります。
こちらはD春麗が少し有利でしょうか?



スーパー・エックスのキャラが基本的な制圧能力が高く、
ダッシュキャラは破壊力で返せるような感じの勝負が面白くなります。
他にも[S本田−Dバイソン][S本田−Dザンギエフ]などが面白いです。