スパルタのクマ 太古の時代から発展を始める人類にとって、猛獣や蛮族は存亡の脅威となります。 幸い、動物たちは人間のテリトリーには入ってこないという特徴があり、人間の文化圏の中にいれば安心です。 斥候ばかりか戦士すら命を失う可能性が高い猛獣・クマも、このように隣で無防備な労働者が銅の採掘に着手していても 人間の文化圏の中には入ろうとしてきません。 ……ところが地形の関係上、人類の生活圏と海に取り囲まれてしまって、このクマは身動きできなくなってしまいました。しかも、その場所は青銅と石材が採れる重要な地点。海に乗り出して魚を獲る事も出来る有力な都市候補地です。 この地を収めるべく、人間の開拓者がやってきました。
このまま住処を人間に奪われてしまったら、クマは一体どうなってしまうのでしょうか? 蛮族の場合は人間の都市圏に入ってきたり、都市を襲撃してくるので、 こんな事をしたらせっかくの新都市がいきなり潰されてしまうだけですが、クマはそうも行きません。 普通は文明圏の外に逃げるのですが、それもままなりません……。
なんと、人間の居住区域の中に居座りました。 しかしここから移動する事はできなくなり、やはり労働者も安全に作業を進めていきます。 世にも珍しい、生け捕りにされた猛獣として、スパルタのクマは太古のギリシャ人たちと共に生き続けました……。
しかし、6050年の寿命を持つシド星人たちと異なり、野生動物は文明の発展とともに地上から姿を消してしまいます。 都市圏に封じ込められたクマも、紀元前2200年にはいなくなってしまいました。 およそ280年間に渡って猛獣と人類が共に暮らした史実を残すため、後にスパルタには民族叙事詩が建造されました。